分からないの先に
たまに驚く。
こんな文章を読んでいる人が何処かにいるのだということに。
なぜ分かるかというと、このブログが数日、1カ月、総計で何回読まれたのかというデータが、画面に表示されるからだ。
果たして実体なのか、実在する人間なのか?
もしかして、どこかの地下室に囚われ人間に憧れているロボット?現世に未練のある幽霊?それとも人間の日常を調査中の宇宙人?
分からない。その「分からなさ」が好きだ。
朧げで不確かな、存在。
でも多分どこかに居る。この世界のどこか。わたしの知らない場所。
「ありがとう」とも「ごめんなさい」とも違う気持ち。安心感でもないし、恐怖感でもない。
何も考えずに自転車に乗っていたら、爽やかな風がサーッと耳を掠めて、その瞬間に自分が生きていたことを自覚してはっとするときがある。例えるならそんな感覚。
何か役に立てる情報を伝えるわけでもなく、ただ淡々と、偶に、日常を切り取って、綴る。
それだけ。
望んでないし望まれてもないけれど、この文章の向こうに人がいる。
「毎日がおんなじに感じる。自分は全然変わらない」そう嘆いた私に、いつか友人が言った。「人間は毎日変わっていってるんだよ。たとえ分からなくても、毎日変わってるんだよ」
今日ふいにその言葉を思い出した。
そうか変わってるのか、じぶん、と思った。
この画面の向こうにいる誰か、何かたち。
朧げにしか感じられない、不確かなその存在。
その存在は、自分の中の今はまだ頑なな「何か」を、いつか、変えるような気がする。
うまく言えないけれど、きっと多分。
これからも書いていこう。