てがみ
なんだか照れるけど
今しか言えない気がするから書くことにした
夜の秋は早く過ぎるね
あなたはいつも人のことを気にしてる
どう思われてもいいよなんて平気なそぶりして
1人でも生きていけるくらい強くならなきゃと本気で思いつめてるみたいだけど
淡々とした人の仮面をかぶってるだけでしょう
ほんとは誰より愛されたいと思っていて
どんな友達と一緒にいても さみしいと感じてる
そんなことないよわたしに限ってと
首を振ってみせるだろうね
だけどわたしはあなたよりも
あなたを知っているのです
そして伝えたいと思ってる
誰よりもあなたがすきだと
誰よりもあなたはすてきなんだと
なんでこんなことを急に言うかというと
あなたは
生きていていろんなことに
つまづいてしまうから
その痛みを誰にも拾わせずに
夜にひとりでぐっと唇をかみしめたり
わけもなく叫んでスマホを壁にぶつけたり
そんなことをしても
優しいあなたは傷つくだけだよ
いまそっと手を握る
大丈夫だなんて言わないけど
わかってほしいんだ
あなたが誰で
どんな失敗して
あなたがどんなにあなたを軽蔑していても
あなたを世界は受け入れている、
世界をあなたは受け入れていると思います
海のように かぜのように
今は今しかないんだからね
気にしたってしょうがないの、未来なんて
わからないんだ誰も
いつのまにかすべて終わってしまうよ
あなたがあなたに触れられること
あなたがあなたに笑いかけること
あなたがあなたを愛すること
それは決してナルシシズムなんかじゃない
あなたはいつも 自意識過剰とか 自分勝手ということばに敏感にカラダを震わせてる
だけどそれは全然ちがうんだ
あなたは愛していいんだ
肯定していいんだ
あなたがどんなに嫌いでも
わたしはあなたの生とともにある
辛くなったら 爪を見て 手を見て
それはたしかに存在している
透けてなんかない
動いている あたたかいんだ
これまでもきょうもきっとあしたも
あなたを好きです
あなたでいられることを
このうえなく 幸福に感じます
だからね、ありがとう。ありがとう
あなたでいられる今が いま過ぎてゆく。
移ろってゆく 季節の中で
すれちがう 人々の中で
わたしがずっとあなたであること
ほんとにそれが
きっと今のすべて。
あなたのなかのわたし、
わたしのなかのあなたより
愛を込めて。