親愛なる誰かさんへ。

日常、雑念、世界。

赤い公園-pray

このさき私たちがどう生きて出会って笑って泣いて苦しくて、憂鬱で吐きたくなるのかは、さっぱり分からない。数え切れないくらい七転八倒するんだろうなと思うと、深ーいためいき。

でもなんだか今日は美しい夜だから、夜にゆだねてこんな文章を書いていられる。

こんなに理不尽で勝手で不条理でバカバカしくて、差別がはびこって、いつまでたっても煮え切らない、何もかもにツバを吐いてしまいたくなるような世界でも、たまにたまらなく好きだと思える日があるんだ。何も持ってないし何も知らないけれど、まっさらなキャンパスに一から描くみたいに、ほんとうは世界はたのしくて明るいんだと、少し泣きたくなるくらいにはね。

この世界はきれいなものだけで成り立ってるわけではない、だけど、ゲスい話や意地悪や悪意や汚れたお金や数多のヘイトで成り立ってるわけでもない。

そうじゃない、本当にきらきらしたビー玉みたいなものに出会えることが時々だけどたしかにあるのだ。

それは

いつもの道で見かけた、男の子が自転車に初めて乗れたときの笑顔だったり、

異国のバスで、おばあさんがずっと笑顔で話し続けてくれたことだったり、

ライブハウスで踊り狂った夜だったり、

旧友から不意に送られてきた手紙だったり、

ふと目にした小説の一節だったり、だれかのツイートだったり、

赤い公園というバンドのprayという曲だったりする。

胸がつまるほどにうつくしい曲で、だから深夜に涙が止まらなくなる。

ありがとう、

そうだよ世界はたぶん明るいんだ。

ついつい私たちを取り巻く仕事や課題や進路や世間の基準やらに追い立てられて流されて忘れそうになるけど

足元にあるその小さなきらめきを見つけて、あつめて、目を輝かせながら、

この道をおもしろがって歩いていけたらいい

 

「君の旅が どうか美しくありますように」

ありがとう。

#赤い公園

#津野米咲