疲れた夜をささえて
ずっと側にいるよ置き去りにしないからと歌うその曲にイライラし
果てないでんわの終着点の無さに辟易し
テレビを見ようにも放送休止の音を聞いて惨めになる
そんな夜がある
いつも張ってる去勢が剥がれ落ちて
つくりあげたはずの経験や人間関係や価値観やプライドなんか全て嘘だったみたいに世界にひとりぼっちの夜みたいに気持ちが落ちていく
そんな夜もある
自分の内なる泣き声を聞いて、それは何か少しだけ産声みたいで、かつ老婆の苦しげな呻き声でもあった
呼び声だと思った、
自分の中で何かが呼んでいるみたいに。
どんな道でも一本だ、どんなに別れていてもいつかはどこかに到着する。
いつか誰もが一人なくなる、人でなくなる
灰になって塵と消える死んでしまったら何にもなれない
0ですらない無だ
生きているうちにしかできないことを私たちはいくつ重ねていくつ捨てていくつ拾ってそれで一体何が残るのかわかりもしないまま進むしかない手当たり次第に何もかもを食べて壊して傷つけてボロボロになって失い続けてもそれが生きるって事なのだ
墓碑みたいに刻みつけていくものなんだ
それが生きるって事なのだ
いきているからこそできる全てなのだ
だからいつも魂に問いかけろ
ここにいる今というその時間を
そして自分に生えている足を、
きっと続いている橋へと伸ばすんだ